TEL : 06-6147-7812 FAX : 06-6147-7816
〒550-0004 大阪市西区靭本町1丁目11番7号 信濃橋三井ビル 3F
トップページ末永ブログ

末永ブログ

SUENAGA Blog
sub_line

大きな目的のための小さな時間

時間は、目的によって価値を持つと思います。三上(さんじょう)と言う言葉があります。
枕上(ちんじょう)、馬上(ばじょう)、厠上(しじょう)の三つを言います。本来は、
作文三上といって文章を作るのに適した場所を言ったようです。私は、これは時間の活用に
ついて教えていると理解しています。
枕上は、眠る前の枕元の時間、
馬上は、昔の人なら馬の上、今なら電車・飛行機に乗っている時間や車を運転している時間、
厠上は、厠はかわやと読みます。つまりお手洗いです。トイレの時間や短い待ち時間、
このようなわずかな時間を活かして積み重ねていく意義を教えています。

時間の使い方と言う議論が多いですが、本来的に、その人が何をなしたいかということで
時間の使い方は変わってきます。人の生き方と時間は、不即不離の関係にあります。
私は、人生は時間をどのように味方にするかによって大きく変わると考えますので
三上のような言葉が心に響きます。時間をどう創るかは、その人の生き方と強く関係していると
思います。どんな環境にあろうとも時間と言う時の刻みは同じです。

こんな話があります。「明の王陽明も、病躯を以ってこっちの内乱、あっちの反徒と寧処の暇なく
奔走しながら、その間にもっとも真剣な読書・学問・教育・試作・論述を行っております。
弟子たちは絶えず先生の後を追って陣中に聴講しており、一日の戦闘がすんで、夜になると、
夜営の帷幕のなかで篝火を燃やして、そこでの書物の講義です。弟子たちもヘトヘトになって、
翌日眼を覚ましたら、もう陽明先生は前線に進軍している」(「青年の大成」。
前線の夜営の中でも学ぶ姿勢を持つ、忙しいという時間観念の次元を超えた時間価値のとらえかた
だと思います。大きな目的のために小さな細切れ時間を粘り強く真剣に使う意思をもう一度思い起こし
たいものです。

今日の、これからという前人未到の時間が素晴らしいものでありますように。