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【経営者・トップが一人で空回り?!】幹部の熱量を上げるために必要なこと

変わるべきは、経営者だけではありません。幹部が変わらなければ、そして本気にならなければ、社員が変わるはずもありません。

人材育成を否定する経営者はほとんどいないのですが、経営者がそこに熱を込めても、幹部にはその熱がないということは往々にしてあり得ます。
その企業は人材育成の仕組み自体も、もう時代に合っていない可能性が高いのですが、たとえいい仕組みがあっても、それこそ、そこに魂が込もっていないのです。

実際に社員を考課するのは上司や幹部などで、対話面接をするのもその人たちです。経営者がその現場に逐一顔を出すことはほとんどありませんから、”彼らの熱”がそもそも大切なのです。

まずは時代に合った仕組みづくりが前提ですが、その上で、その仕組みに魂を込めて運用しないことには、仕組みの良さはなくなります。
そのためにはまず、経営幹部と、そして次に中間管理職と話し、彼らに経営者の熱を伝えなくてはいけません。それができていないと、育成の現場は動かないということになります。

前向きでない管理職や役員は、本音を言ってしまえば、こうでしょう。

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将来のあるべき姿から現在の経営を俯瞰すれば危機に満ちていますが、現在の満足から見たら危機など見えないのです。

つまり、上司(=自分)を追い越してもらいたくない。そうした気持ちが高じて、本当はキャリアを身につけてほしくない。優秀な人材は、いつまでも自分の配下にいてほしいというのが本音なのです。

それがキャリア開発の世間の実態だとすら思えるほどです。

たとえば課長が「お前、どんどんやって俺を追い越せ」と言うとしても、本当は追い越されたら困る。ですから、できる社員を大事にすると言いつつ、「そこそこ」までしか育てない。考課も「そこそこ」にとどめる。
そうなれば、そのうち、意欲のある人材ほど「そこそこ人事」に嫌気がさします。その人間の本気度は時間とともに薄れ、やる気を失ってしまいます。
次世代を引っ張る逸材も現れなくなるのです。そんな組織は間違いなく衰退していきます。

そうならないためには、いわば新たな価値観=魂を、経営者がまず経営幹部に情熱をもって注ぎ込む努力をする必要があります。
そして、役員や管理職を、その価値観に共鳴し、共感するように方向づけていくのです。

経営者の方の多くは、人材育成や人事考課の面接の実態を知らないことが多い。

それは、何も人事部や総務部の責任者が故意に実態を隠しているといった話ではありません。経営者の皆さんが、見ないふりをしているわけでもないでしょう。
端的に言えば、経営者と役員、また中間管理職では、同じ事象に対する見え方が違うということなのです。もしかすると、部下の方には経営目線が備わっていないこともあり得ます。

たとえば人事考課のための育成面接を始めたところ、「まだまだ立ち上がりなので十分な面接になっていませんが、継続することでいいものになっていくと思います。特に若手の育成につなげていけると信じています」という報告が上がってきたとします。
「立ち上がりだから問題がある」
それは仕方ないとしても、大切なのは、「問題の中身」です。
経営者から見たら、もしかしたら「継続の仕方に相当の工夫が必要」なのかもしれません。「もっと根本的に面接のあり方や面接の中身について考えなければいけない」のかもわからないのです。「工夫のない面接を継続していけば、逆に働いている社員は意欲をなくす」かもしれない。
そうした経営者目線による判断を、現場に伝えられていないことが大きな間題です。
現場での格闘は、まきに経営者目線を教育するためにあります。

社員が自主的に育つスゴい仕組み」本書より抜粋。
幻冬舎 (著者:弊社代表 末永春秀)