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SUENAGA Blog
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【上手くいく人事考課の秘訣】”考課者トレーニング”の具体例

適正な人事考課のためには、面接を行う「考課者の質」が重要です。
経営者や役員、そして考課者がいかに意識を高く持っているかということだけでなく、考課の判断力を磨く”トレーニング”も必要不可欠です。

基本的に考課者トレーニング(訓練)を継続して行った会社は人事考課が軌道に乗っています。

ただ、そこにも特徴があって、自社に合うケーススタディで行ったほうが効果的です。
自分たちでケーススタディをつくって、そのケースの”部下”を、「あなただったらどう考課しますか?」という質問をして、皆に答えてもらいます。
モデルケースでいいのですが、自社の実情を反映させたケーススタディがベストです。
勉強会を行って、登場人物の評価を「A」と考課しますか?「B」と考課しますか?それとも「C」と考課しますか?ということをディスカッションします。さらに、その後リーダー育成にもつなげていきます。

たとえばその主人公を田中君としましょう。
田中君の今回の成績考課を、「新企画に関してはBですね。顧客満足ではAですね。営業の資料づくりということに関してはAですね」というふうに、皆で意見を出し合って討議して、「会社としてはこう考えていこう」「こう考課しよう」ということを決めていきます。

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なるほど人はそれぞれ皆、着眼点が違って、考課の結果も全く違うものだということを、そこでまず学んでもらいます。
その一番の効果は、自分の考課を”客観視”できるようになることです。

その上で、評価B→Aに改善するためにはどうすればいいのか。
C→Bになっていくためにはどう導けばいいのか。
Aがさらに伸びるためには何をやらせればいいのか・・・
「そうしたことを、皆さん考えたことがありますか?」と問題提起します。そして「私はこう指導すべきだと思う」「私はこう育成すべきだと思う」・・・というような意見をどんどん言ってもらいます。

そうしていくと、実際、その部下を導く方法論を考えることができるとともに、会社そのもの、業界そのものの課題にぶつかったり、自分たちの事業構造の経年劣化に思いあたったりします。

例えば、「新規事業というけれど、もっと安定的な収益が上がる事業構造をつくらなければいけない。そうでないと、こういうことは常に繰り返される」といった議論にも発展するのです。

つまり、考課が育成につながり、加えて、会社の仕組み・顧客の問題・事業構造・戦略論・営業のあり方や財務面など幅広い経営の側面について議論し、学んでいくことになるのです。
まさに血が通うリーダー教育です。

その結果、事なかれ主義や公平第一というだけの考えが、いかにチープかということに気づきます。ときにはもっと大胆に、はっきりと話さなければいけない。目標やこれからの方向性について、部下ときちんと向かい合って話をしていけば、彼らはもしかしたら今まで以上に意欲を持って仕事をするようになるかもしれない。そんなふうに気づいて、考課者があらためて「意欲的なリーダー」となっていくのです。

当然、面接の仕方や臨むスタンスそのものが変わりますし、面接だけでなく日頃のリーダーシップの発揮にも輝きが増し、信頼の醸成、部下の誘導の仕方、コミュニケ ーションの取り方も変わってきます。

「社員が自主的に育つスゴイ仕組み」(幻冬舎)本書より抜粋
著者:弊社代表 末永春秀