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管理者よ、自分の意見を持て

管理者よ、自分の意見を持て

管理者が、自分の意見を抑えて組織に従うことはあります。しかし、それを部下が見てどう思うかと言えば、はっきり時代が変わりました。それを見て部下は、組織の仕事はこうあるべきだとは思わなくなったのです。管理者の本意と組織の本意のベクトルが適合している場合でも部下はそれで良いのだろうかと思っている時代です。まして、管理者の本意が違うのであれば、どうであれ明確に言うべきです。

組織は、様々な意見が統合されてエネルギーが出ます。現在のような時代は、意見には異なった見解の異見が必要です。その異なった見解から新たなエネルギーが生み出されます。必要なのは新たなエネルギーであり、それを生み出すためにはみんなが意見を述べ合う、取り分け管理者が思うところを言わなくては進化しません。

江戸時代の武家社会で、黒田藩では、毎月一回、藩や上役に物申すことができる日があったそうです。あの江戸時代に口ごたえすれば切腹の時代にです。いつの時代にも意見というのは進化のためには必要な事です。翻って考えれば、異なった意見が必要というよりも、その見方で良いのか、もっと違う見方をしてみたらどうなるか、です。この異なる見方があって、それをたたき台にして考えるから統合が起きるのです。

やはり、上がそう言えば下もそうですねとなる。それはそれで必要な時もあるのですが、それだけではどうにもならないことがあります。経営者が、自分の意見にOKしてくれて安心する反面、管理者には自分の意見はないのだろうか、部下に本当に意味を伝えているのだろうかと逆に不安になります。

日頃から、問題意識を持っていなければ意見が出るはずもありません。まして異なった意見など出ようがありません。この問題意識をどう持つか。松下幸之助翁は、幹部向けのメッセージの中で「道を歩いていて、犬が尻尾を振ったら、それを仕事と結び付けろ」と話をされています。

問題解決の方法は教えられても問題意識は教えられないものです。何が違うのだろうと思いますが、やはり自分の担う責任の重さ、使命感の大きさの違いだろうと思います。このように考えれば、管理者が仕事で何をなそうと目指しているかが大切になってきます。

組織で働いているから自分の思うようにはならないのではなく、経営者は、思うようにしてくれても良い、本当に責任もってやり遂げて人も育ててくれるなら、むしろ任せたいというのが本音でしょう。そういう人になって欲しいと思います。十分になれると思います。そのためには、仕事を掘り下げて考えることです。誰でも言うことですが、考えるというのは、やはり時間の確保が必要です。日常は、バタバタしていても、タイミングを作ってじっくりと考える時間が必要です。それを誤魔化しつつやっても思考は掘り下げられません。この時間の確保を計画に中に入れているかどうか、そして実際にそうしているか、しかも、それを続けているか、です。

意見は不思議なものです。考えていたから出てくるのではなく、考える日常を持っていたら出てくるものです。そのような日常を持っていれば、考えていなくても意見は出てくるものです。また、自分の意見に自分自身が引っ張られることもあります。言葉には牽引力があります。自分で言った後で自分の意思が固まる時があるからです。

管理者の方々、時々、沈思黙考する時間が必要です。そこで考えを整理し、自分の思想を整えてください。あなたの中に眠っている力の大きさに気づかれると思います。