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【人材マネジメントの本質】”人を育てられる人”を育てるときに必要なコトとは?

”人を育てられる人”を育てる

例えば、上司に上手に育てられた人が、またその部下を育てられるかどうかですが、できるとは限りません。
むしろ案外できないものです。なぜなら愛情を受けることは上手にできても、愛情を注ぐことは下手だからです。
人材を育てるという連続が、動態的に次から次へ容易に起こりえない原因です。
育ててもらう過程では、必要でなかった人間の観方が、今度は人を育てる過程では必要になります。この”人物観”が、仕事への動機づけをしていくうえで極めて大切になります。

「三人の石切りエに尋ねる。あなたがたは何をやっているのですか、と尋ねたところ、
一人目は『生活費を稼いでいる』と答え、
二人目は 『石切工としてはこの国で一番の仕事をしている』と答え、
三人目は『大聖堂を建てている』と答えた。
もちろん、三人目がマネージャーである」
ー『マネジメントを発明した男ドラッカー』ジャック・ビーティー

(ダイヤモンド社)

その仕事、つまり営業なら営業の”仕事の価値”を明確に示して、動機として確立していくことが必要です。会社の事業の価値と関係づけた営業の価値です。

人材育成は実際の仕事を通じて行われるものです。
その仕事の価値を実務のなかで繰り返し”動機づけ”していく必要があります。仕事そのものに明確な意義づけがされなければ、働く人間として誇りが持てません。だから、人物としても成長しきれないのです。
仕事の意義づけは、企業の根本思想と深く関係している必要があります。 そのために企業の根本思想が明文で確認できることが重要です。

人材育成 ー人をどう磨くのかー

人材育成は、その人の器に応じて育て、その成長を支える過程です。

孔子が、魯国の定公(君主)に仕えたとき、当時の実力者を成敗しました。
門人が「なぜあのような名士を排除するのか?」という問いに、孔子はこのように答えました。

「人に憎むべきものが五つある。泥棒などはその中には入らぬ。
その一つは万事よく気がきいて、実は陰険な人間である。
第二はその行が偏して、しかも頑固なものだ。
第三は言うことが嘘でありながら、良く理屈がたつ人間だ。
第四は、 つまらぬことを良く覚えておって、しかも博識な人間。
第五は、悪事をはたらきながら、私恩を売って勢力を持っている人物」
ー『朝の論語』安岡正篤ー

(明徳出版社)

「このような人であってほしくない」という人間の両面を知ると、「人物とはどうしてできるのか」を考えさせられます。
幾多の古典に語られてきたことであり、それは決して簡単ではありません。
人材育成では、人が持って生まれた器や個性をいかに引き出し、仕事の舞台で磨く機会を与えるかが重要です。それが育成の環境条件です。

(弊社冊子「先哲に学ぶ人材育成~十二観抄」より抜粋)