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SUENAGA Blog
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【育てる人・育てられる人、どちらも理解しておくべき】自ら”キャリア”を切り拓くときに大切なこと

人材育成は、自己の「主体性」を確立する過程です。
人材が”未成熟”から”成熟”に至り、さらにまた成熟を超えて”人材として他に影響力を発揮できる”ようになるためには、育てる人も育てられる人も自己の確立を目指す必要があります。

経済産業省が打ち出している『人生100年時代の社会人基礎力』
社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素を内容としつつ、能力を発揮するにあたって、「自己を認識してリフレクション(振り返り)」しながら、目的・学び・統合のバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていくことが大切であるとされています。
人生100年時代が謳われる中で、「社会人基礎力」は重要性を増し、今まで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力が必要です。

そして、以下の図にもある通り、重要な能力の1つ「前に踏み出す力」に代表される「主体性」
これこそ人材育成における大切なキーワードです。

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上記引用:経済産業省「人生100年時代の社会人基礎力」https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/

自己の確立は、自己成長に指針と意義を持つことですが、それは”努力”と”環境”に影響を受けます。育てる人は良き環境を整えることは必要ですが、常に適切な環境があるわけはないので、育てられる人の”自己努力”が必要です。

「最高の教育を受けた人間も、その後の自己陶冶(とうや)を缺(か)いては立派な人間には成り得ない。
ごく劣悪な教育も、自己陶冶によっては、改善され得るものである」
(安岡正篤『青年の大成』致知出版社)

ここでは、いかに人間が「自己陶冶」次第であることを教えています。
自己陶冶、という言葉に聴き馴染みがない方もいるかと思います。どういう意味なのでしょうか。

「自己陶冶」の意味とは?
・人の性質や能力を円満に育て上げること。育成。
(goo辞書)
・自分の能力や考え方をより良いものにすること(weblio国語辞典)

自己陶冶よりも自己啓発という言葉が一般的になった現代ですが、人材育成において陶冶の本来的意味に返る必要があります。
自己陶冶は、”自己の内なる開発”こそが必要です。

「自己陶冶の力は他面にのみ存在するものに非(あら)ず、洵(いわん)や昭として自己の生命に内在す」
(中村天風『研心抄』)

特に、内なる本来的な良心の深掘は必須です。
良心を感得したとき人間は変わります。メンタルヘルスの課題を抱える現代こそ、この点に着眼することが多様性に適応していく人事の要諦です。

(弊社冊子「先哲に学ぶ人材育成~十二観抄~」より一部抜粋)