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【これだけは押さえておきたい!】従業員を”内発的”に動機づけるリーダーシップと人事考課

人間を「動機づける」には報酬などの外発的な要因だけでなく、認知と賞賛といった“内発的な要因”も重要です。
日常の業務や面接などを通して、考課者がそうした声をかけるだけでなく、人間性を評価するプラス加点がある人事考課でなければならないと思います。

それは決して、甘く考課することを言っているのではなく、社員の自主性を引き出していく工夫が、人事考課には不可欠だということです。

定性的な判断基準も文章によって明確化し、どの考課者も共通の価値基準で判断ができるようにします。
そうした仕組みをつくり上げるとともに、考課者の判断力を鍛えるトレーニングを欠かさなければ、全社でブレのない、そして齟齬(そご)のない人事考課が実現できるはずです。

また、考課者トレーニングは管理職研修、さらに経営幹部研修でもあり、部門長や役員の経営者目線を鍛える動機づけにもつながります。

すべては各個人の自主性を重んじ、環境の変化に即応できる、柔軟性のある組織をつくるためです。

社員の働きは一部ではなく、できるだけ”多角的に”考課対象にすることが肝要です。現場のリーダーの能力としては、自分が先頭に立ってぐいぐいとメンバーを引っ張るリーダーシップも大切です。場合によっては、目立たないように組織のメンバーに働きかけて動機づけし、好ましい方向に進むように仕向ける力が重要です。
そして、メンバーの誰かが本当に困っている、立ち往生している、悩んでいるときには、さっと隣に座って、声をかける。適切なタイミングで現れ、適切な声かけをするリーダーこそが求められますが、そのためにはよく部下を、チームメンバーを観察している必要があります。
そして、困っているときのフォローだけでなく、評価すべき部下の行動にスポットを当てて、適切な言葉をかけてモチベーションを上げることも重要な仕事です。

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今回取り上げた本書の中で紹介している人事考課制度の内容は、育成面接などの面接時だけに活用するものではなく、日々の仕事の中で導き、学ばせるための”レファレンスブック”でもあります。

適切な人事考課により、社員は、自分の活動が評価してもらえたという喜びを感じることができます。自分のやっていることが「間違っていない」「認められる」のだということを、考課によって知るわけです。

今までは育成や加点といってもその点があやふやで、間違った・失敗した部分だけをことさら叱咤されてきたわけですから、社員は極めて大きな差を感じることでしょう。社員一人ひとりの内発的動機づけとなってやる気を増幅させ、仕事に対する、またチームや会社に対するコミットメントを高めることになるのです。
その結果、自主性はさらに伸びることになります。
ですから、考課項目、判断基準を制度として整える際、確固たる経営理念がベースとなっていますが、経営状況に応じて、今力を入れるべき戦略ポイントは変わってきます。
その時々の経営方針、営業方針などによって、企業ごとに、タイムリーな等身大の人事考課を設計することが重要です。

(一部抜粋:『社員が自主的に育つスゴい仕組み』著者:末永春秀)