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【目を背けられない壁】変わってもらわなくてはいけない”人材”をどうしていくか?

役員にも組織の成長に合わせて変わってもらわなくてはいけない

耳に痛い話ですが、会社が成長するにつれて、必要な「人材像」は変わっていきます。
創業期から成長前期は、どちらかといえば、文句も言わず辞めないで頑張ってくれる人材が必要です。
その後、成長後期に差しかかると、組織も大きくなるので、仕組みやルールの運用ができる人でないと、現場を動かせなくなってきます。
さらに会社が大きくなり、安定期に差しかかると、ただ仕組みを運用するというだけでなく、先を考えて組み立てる人が重要になります。現状の仕組み以上に、その先を考えて仕組み化ができる人。マネジメントで成果が出せる人と言ってもいいでしょう。

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そうなってくると、前の時代に頑張って会社を成長させてきたタイプの人たちの多くは、今、そして将来にわたっては、もはや重要なピースではなくなっていることもあります。むしろ、さらなる成長を図るためには重荷になってしまっているかもしれません。
しかし、彼らの多くは現在の幹部です。さらに、社長へのロイヤルティも高く、社長も基本的な人間性は信じています。ただ、マネジメントが昔の感覚で行なわれるので、現場の今に合っていないのです。そこに確執や断絶が起こってしまいます。

しかし、こうした人たちは、自ら”自分を変える”ことがなかなか難しかったりします。
とはいえ、この人たちが全部抜けると、それはそれで組織はおかしくなります。なぜならば、この人たちは現場からの叩き上げなので、古くからいる現場との”良い関係性”を持っているのです。
つまり、現場を押さえられている
次の世代の人材、幹部候補が現場を押さえられるかというと、押さえるのではなく仕組みで管理してきた人たちなので、そううまく対応できるとは限りません。人間的な付き合いが少ない、人間関係をつくれていないからです。

”人間性の重視”をうたってきましたが、”心”のない仕組みではダメなのです。
結果として、経営の成長についてこれない幹部の意識を変える必要に迫られます。確かにそれは簡単なことではありません。

では、この人たちをどうやったら変えられるでしょうか。
変化には、大きな困難がつきまといます。実際に変わったケースもありますが、変わることを強く求めて潰してしまうよりも、人の活かし方を工夫する熟考が必要です。
人間は、本当は何歳になっても変われる可能性を持っています。ただ、経営者がそこまで時間をその人にかけられないのです。それでも心を込めてトライすることが重要です。

幹部育成はすなわち「考課者育成」です。一般社員の考課者は課長、課長の考課者は部長、そして部長の考課者は役員ということが一般的でしょう。
だから、幹部育成は考課者育成でできるのです。
経営理念、経営フィロソフィ、そしてマインド・マネジメント方式の人事考課、フィードフォワード…こうした黄金律をもって、部下に教えるという行為で、自らも学び、変わっていくという経験ができれば何よりだと思います。その方向に誘導するのが経営者の役目です。

(一部抜粋:『社員が自主的に育つスゴい仕組み』著者:末永春秀)